新エネルギー車の戦略拠点として電動バスを開発

襄陽では電動バスの開発も盛んだと聞きましたが、どういう状況でしょうか。

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 襄陽は中国政府から「新エネルギー車の模範基地」と「新エネルギー車の生産基地」という2つの基地として認定を受けています。そこでまず進められているのが電動バスの開発です。襄陽には、東風天翼、東風中大、揚子江という中国の主要バスメーカー3社が進出しています。中でも東風天翼はいち早く電動バスの開発に着手しました。

 ただ、問題もあります。それはバッテリー技術に関するものです。まだ中国のバスメーカーでは、バスを長時間運行させるためのバッテリー技術やシステム技術を持ち合わせていません。そこでこの分野で積極的に海外メーカーと積極的に協力していくことを考えています。現在、ドイツのシーメンス、韓国の現代と、この分野についての協議を始めました。日本も電気自動車のバッテリー技術を持つ優れたメーカーがあります。そうした企業と是非とも協力して、電動バスの開発を進めていければと考えています。

 襄陽は新エネルギー車の2つの基地認定を受けましたが、これは中国で唯一襄陽だけです。それなのに、トヨタの新エネルギー車開発拠点を常熟に奪われたのは非常に残念です。襄陽には新エネルギー車の開発、製造拠点として、大きなテストコースも用意しています。これからは投資というより、誘致という形で積極的に海外メーカーが参入してくることを希望します。

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新しいトップのもと対日融資を加速

今後の産業発展のシナリオを教えてください。

 現在、襄陽の産業は7割が自動車産業が占め、残りの3割は半導体、家電、食品加工などが占めています。今後も自動車を中心に、その他産業もさらに拡大させていく計画です。

 襄陽は水資源も豊富で、水力発電による電力供給で停電の心配は全くありません。また人材も豊富で、賃金は北京、上海はもとより、武漢と比べても400~500元ほど安く抑えることができます。襄陽市だけで400万人の人口ですが、その周辺を合わせると600万人、華中地区では3000万人の労働力が想定できます。また、新たに優秀人材の獲得にも力を入れており、海外から優秀な学生が起業したら、20万元から100万元を起業資金として援助し、5年以内の所得税をカットするといったプログラムも用意しています。

 現在、開発区では双日物流をはじめ3社の日系企業が代理人となって、日本産業園区の建設を始めました。ここには工場のほか、住宅も建設して、家賃などで様々な優遇策を提供したいと思います。

 襄陽国家高新技術産業開発区は先週トップが交代し、新しくトップとなる吉虹主任が市政府から赴任してきました。市政府は対日融資を重点項目に掲げており、今後は彼女が開発区のトップとして、さらに日本からの企業誘致を加速させていく考えです。今月中には日本事務所を設立し、7月からは本格的に業務を開始する予定です。

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