主力の家電のほか、自動車、新エネルギー、電子情報産業などにも注力

合肥ハイテク産業開発区ではどのような産業に力を入れていますか。

李兵氏

 開発区では主力の家電産業のほか、自動車、新エネルギー、公共安全設備、バイオ医薬、電子情報などの産業に力を入れています。それぞれの産業がサプライチェーンを構築しているのも特徴です。例えば、中国の大手家電メーカーの美的集団もここで洗濯機やエアコンを製造していますが、製造に必要は部品や資材はこの開発区内で調達可能です。合肥三洋も大規模な工場建設を進めていて、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどの生活家電やエアコンの生産を開始します。

 自動車産業においても、長安汽車がここに製造基地を置いて産業クラスタを構成しています。日本では横浜ゴムのブランドとして知られるドイツのコンチネンタルタイヤもここで生産しています。ベアリング(軸受け)で有名な日本の日本精工(NSK)も今年8月に工場を稼働させる計画です。新エネルギーの分野であれば、たとえば太陽電池製造においては、モジュールからインバーターまで製造する工場が開発区の中にあります。

タイトル

 昨年は第12次五カ年計画がスタートした年でしたが、開発区にとってもいいスタートを切ることができた年でした。工業生産は年間40%増の勢いで発展しており、GDPは24~25%増加しています。2010年の家電生産は4220万台、ハイテク製品の売り上げは300億元に達しました。開発区ではハイテク企業が256社集まっており、合肥の中でも6割がここに集中しています。開発区では家電、電子情報、新エネルギー分野で日本企業に進出していただきたいと考えています。バイオ医薬や設備産業にもチャンスがあると考えます。

広い土地と豊富な人材を提供可能

日本企業が進出する際にどのようなメリットがありますか。また中小企業のサポート体制も教えてください。

 合肥には中国科学技術大学、合肥工業大学、安徽大学をはじめとする大学があり、48万人が在籍しています。さらに80カ所の専門技術学校もあるため、多くの進出企業に人材を提供可能です。科学技術分野だけでなく、日本語に堪能な人材も多く輩出しています。2009年にある日本企業が日本語のサポートセンターを作りましたが、そこに200人の日本語ができる人材も集めることができました。

 日本の中小企業の場合、進出にあたってはいろいろ細かな問題に直面します。そこで開発区内に日本センターを設立しました。何か困った問題があれば、日本センターのスタッフがすぐに対応します。日本語だけではなく、工場を建てる資金が不足している場合は、我々が資金調達の援助をします。

 上海近郊は土地不足が深刻ですが、ここではそういう問題はありません。合肥は土地が広い上に、効率的に開発を進めてきました。進出企業が大きな土地が必要な場合、300ムーや500ムー(1ムーは667平方メートル)といった規模の土地も提供可能です。このように合肥高新技術産業開発区では人材、土地の提供、日本語サポートなど様々な支援体制が整っています。このため日本企業が安心して進出していただけると思います。