シャープは,画角が180度と広いレンズを採用したドライブ・レコーダー用システム・ボードを2009年5月20日に発表した(図1, Tech-On! 関連記事)。撮影領域は水平方向に180度,垂直方向に144度と広く,前方から側方までの広い範囲を撮影できるのが特徴である。今回のドライブ・レコーダー用システム・ボードの詳細や今後の展開について同社 電子デバイス事業本部 システムデバイス第一事業部 新規事業推進プロジェクトチーム チーフの高田栄和氏に聞いた。(聞き手=久米 秀尚,日経エレクトロニクス)

図1 シャープのドライブ・レコーダー用システム・ボードの「汎用設置タイプ」
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――今回,シャープとして初めてドライブ・レコーダー事業に着手したきっかけは何か。


高田氏 カメラのアプリケーションの応用を考えていたのがきっかけ。2年ほど前,カメラを使って何かできないかと考えたときに,ドライブ・レコーダーが世の中に出回り始めたころだった。検討を進め,実際には1年半ほど前から開発を開始した。

 当時,社長(同社 代表取締役社長の片山幹雄氏)からも「部品単体ではなく,部品を融合してモジュールや製品を考えろ」と言われていたことも大きな要因だ。

――今回のドライブ・レコーダー用システム・ボードの特徴を聞きたい。


高田氏 レンズが最大の特徴だ。魚眼レンズを採用することで水平画角180度,垂直画角144度の撮影領域を実現した。現在主流の水平画角135度,垂直画角100度ほどの製品と比べて撮影領域が広く,真横を確認できる(動画)。実際には190度のレンズで,実効180度として使っている。

動画 水平画角が180度と広く,真横を確認できる(約3秒の動画)
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――記録画像に「高精細記録モード」を備えた理由は…。


高田氏 ナンバープレートを読み取れるようにするため。撮像素子に1/4型の200万画素CMOSセンサを用いているが,120万画素として記録する。こうすることで,高精細な画質を実現できる。高精細記録モードは,通常15フレーム/秒の記録を5フレーム/秒にすることで,現行のDSPで処理できるように工夫をしている。トラックの高速道路での走行などでの利用を想定しているが,こうした状況では5フレーム/秒で十分である。