「今後SOFCがメジャーになるのは間違いない。携帯機器向けの電源として非常に注目している」(ある機器メーカーの技術者)。発電効率が高いことから,家庭用などの定置型分野で急速に存在感を増す固体酸化物型燃料電池(SOFC)。さらにここへきて,その勢いが携帯機器へと拡大する動きが見えてきた。作動温度が+500℃と,従来に比べて約250℃~500℃低いSOFCをセル・スタックやモジュールとして2008年度にも実用化すると,TOTOが発表したのだ。手のひら大のスタックであれば,+500℃で28Wの出力が得られるという。低温動作のほかに,小型で起動時間が約5分と短い特徴も併せ持っている。

 これまでSOFCは,作動温度が+750℃~+1000℃と高いことから分厚い断熱材が必要になり,携帯機器向け電源として使うのは難しいといわれていた。今回,作動温度を+500℃まで下げたことで断熱材の厚さを従来の半分程度の3cmにでき,燃料電池モジュールの小型化が可能になった。