携帯電話機メーカーにとって悩みの種の1つが,内蔵するカメラでオートフォーカス機能や光学ズーム機能を実現することである。カメラ・モジュールが占める実装空間が大きくなりがちだからだ。これは機械的にレンズの位置を光軸に沿って動かさなければならないことに起因する。それならば,思い切ってレンズを前後に動かさなければよい。こう提案するのがフランスVarioptic社である。同社は液体レンズと呼ぶ光学部品を開発し,2005年末までに量産出荷の準備を終える。同社の技術を使って,韓国Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd.も液体レンズを造る見込みだ。液体レンズを使えば,製造コストや消費電力面も抑えられるとVarioptic社は主張している。こうした利点や,レンズ性能や信頼試験の概要,そして動作原理について同社の開発責任者が述べる。 (大槻 智洋=本誌)

Bruno Berge
フランスVarioptic社
Chief Scientific Officer