日経ものづくり 万華鏡

66年ぶりの革新を支えた
板金加工の技術力

オランダRoyal Philips Electronics社の電気シェーバーといえば,円環上に配置した内刃を回転させる方式が特徴的。その新製品「HQ9100」と「HQ8100」は,同社が1939年の第1号機から66年間も続けてきた,あることを変更した「自社開発史上,最も革新的」(同社)な製品だ。それは,内刃の列数。従来は1列だったものを,その内側に二つの円環を配置して3列にした。これにより,シェービング面積が従来比で50%アップするという。単に1列を3列にしただけと思うなかれ。66年間も1列だったのにはそれなりの理由がある。内刃の加工が非常に難しかったのだ。

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ちょっとスリリングな
ロボットの単独遊泳

東京大学生産技術研究所海中工学研究センターを中心とする研究グループは,2005年8月19日に自立型海中ロボット「r2D4」を伊豆小笠原海域にある海底火山「明神礁」のカルデラ内に潜航させ,観測することに成功した。水深500~1000mを上下しながら,約6時間にわたって自律的に移動。海中のマンガンイオン濃度分布を計測したほか,中央火口丘の北西斜面を詳細に観測した。

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