次世代マイクロプロセサ「Cell」の外販に向けて,ついに開発元の4社が動きだした。ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE),東芝,米IBM Corp.は,命令セット・アーキテクチャ(ISA)やマルチメディア演算用の関数など,Cellに関する詳細な技術仕様を公開した。5つの文書から成り,PDFファイルとしてダウンロード可能にした。合計700ページにも上る分量だ。

 4社の狙いは,技術の詳細を明らかにすることでソフトウエア開発者などにCellへの理解を深めてもらい,ゲーム機以外の用途への拡販につなげることにある。「ネットワークを経由してプログラムをやりとりすることを想定したCellでは,その設計思想からしても4社の中での利用に閉じるわけにはいかない」(SCE)。今回の仕様公開を皮切りに,2005年秋にはCell向けのLinuxカーネル,コンパイラ,シミュレータ,サンプル・プログラムなどを公開・配布する計画である。