三菱電機は,業界で初めて6原色の発光ダイオード(LED)をバックライト光源として利用する液晶モニタを開発した。現在,ディスプレイの新たな市場を開拓するため,液晶パネルの色再現範囲を拡大しようとする研究開発が盛んになっている。特に,バックライト光源を従来の冷陰極蛍光管(CCFL)からLEDに置き換えることで,R(赤),G(緑),B(青)の色純度を高めるアプローチが相次いでいる。しかし,RGBの3原色の色純度を高めるだけでは色再現範囲の拡大に限界があることから,同社はRGBの3原色に新たな原色を追加する「脱3原色」に踏み出すことで,さらなる色再現範囲の拡大を追求した。今回の液晶モニタの開発における,バックライトや信号処理などの設計の工夫について,同社の技術者が解説する。(小谷 卓也=本誌)

杉浦 博明
三菱電機 先端技術総合研究所 映像入出力技術部 部長