日経オートモーティブ 技術レポート

BMWテクノロジーフォーラム
新直噴エンジンで燃費1割アップ
アルミ複合材、ナノ素材も開発中

 ビー・エム・ダブリューは2005年5月、「BMWジャパンテクノロジーフォーラム」を開催し、新直噴エンジンや水素エンジン車、Al(アルミニウム)複合材など開発中の新技術を公開(図)。環境に配慮しつつ「持続的な成長」を実現するための技術をアピールした。

 フォーラムでは車両の音響デザイン、空力開発技術を含め六つの発表があったが、目新しかったのは次世代エンジン技術と材料技術。
 エンジンではドイツBMW社が開発中の新直噴エンジン「スプレーガイデッドガソリン直噴エンジン」を、パワートレーン開発本部のChrisitian Schwarz博士が発表。このエンジンは近い将来実用化する予定で、希薄燃焼化によりこれまでの4バルブエンジン(可変タイミングおよびリフト機構のダブルVANOSおよびバルブトロニック装着)に比べて燃費が1割アップするのが特徴。
 新エンジンでは、燃焼室頂部の噴射弁から2MPa程度の圧力で点火プラグ近傍に円すい状に燃料を噴射する。噴射は下死点付近のパイロット噴射と、上死点付近のメイン噴射の2回。メイン噴射でできた円すいの中央部に燃料の濃いドーナッツ状ゾーンを作り、そこから燃焼が瞬時に広がるという。

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図●フォーラムで講演する材料担当のRudolf Stauber博士