日経オートモーティブ イベントレポート

North American International Auto Show
2005 Greater Los Angeles Auto Show
ハイブリッド車開発で
本気になったビッグ3

長く続く原油価格の高騰が、ハイブリッド車の人気に拍車を掛ける。もはや、ビッグ3ですら燃費に優れるハイブリッド車を無視できなくなった。「デトロイトショー」「ロサンゼルスショー」では、ビッグ3がハイブリッド車、そして日本車への対抗策を次々に打ち出してきた。

 ハイブリッド車で先行した日本車メーカーを、ビッグ3が追走し始めた。2005年1月9日からプレス向けに開幕されたデトロイト・モーターショー(North American International Auto Show)では、燃費に関してはさほど重要視していないというイメージが強かったビッグ3も独自のハイブリッド機構をアピールした。米General Motors(GM)社は「米国における燃費改善のリーダー」(同社CEOのRichard Wagoner氏、図)であることを強調。新開発のハイブリッド車を公開した。ビッグ3に続けとばかりに、ドイツPorsche社もトヨタ自動車との共同開発をほのめかすなど、デトロイトショーではまさにハイブリッド車が主役となった。
 GM社はDaimlerChrysler社と共同開発中のハイブリッド機構「アドバンスト・ハイブリッドシステム2(AHS2)」を、コンセプトカー「GMC GRAPHYTE」に搭載して発表した。申請中も含め60の特許技術を採用しており、基本的な構成はGM社のハイブリッドバスで使った機構と同じもの。バスのような大型車から、前輪駆動の小型車までカバーできる。デトロイトショー会場にはドイツOpel社「Astra GTC」をハイブリッド化した車両も展示した。自動変速機のサイズにハイブリッド機構を収めることができるため、既存の車種を最小限の変更でハイブリッド化できる。GM社は12車種のハイブリッド車の発売を明言している。

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図●デトロイト・モーターショー
燃料電池車「Sequel」とともにポーズを取る米General Motors社CEOのRichard Wagoner氏(写真右)。写真左は同社副社長のLarry Burns氏。