日経オートモーティブ 新車レポート

NISSAN Note
ダウンサイザーに照準
実用燃費で1.5Lを選択

開発コンセプトは「上級車から乗り換えたユーザーも満足できるコンパクト」。 これまでのコンパクト車が拭えなかった「ちょっと物足りない感じ」を 払拭することを狙った。 あまり使う機会のないシートアレンジの数を競うのではなく、 日常での「本音」の使い勝手にこだわった。

 日産自動車が2005年1月に発売した「ノート」(図)は、日産が2004年9月から立て続けに発売してきた新型車6車種のしんがりを務める新型コンパクト車だ。既に「マーチ」「キューブ」、2004年9月に発売した「ティーダ」、それにスズキからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける軽乗用車の「モコ」を加えれば、日産のコンパクト車のラインアップは4車種を数える。ここにノートを加える意味はどこにあったのか。

「ダウンサイザー」がターゲット
 ノートの開発を担当した商品企画本部商品企画室チーフ・プロダクト・スペシャリストの加藤顕央氏によれば、これまでの日産のコンパクト車ラインアップには若い女性向けの「マーチ」、若い男性向けの「キューブ」、ポストファミリー(子育てを終えた夫婦)向けの「ティーダ」はあったが、ファミリー向けの「まさにど真ん中の市場」(加藤氏)向けの商品がなかった。他社の商品でいえばホンダ「フィット」、マツダ「デミオ」、三菱自動車工業の「コルト」などがこれに当たる。ノートは、この穴を埋めるために企画された。
 排気量1.0~1.5L以下のコンパクト車の市場に軽乗用車を加えると、今や日本の自動車市場の半分以上を占める。しかも、この市場はさらに拡大する勢いだ。「カローラやサニーなど1.5Lクラス以上のクルマを下取りに出して、マーチやフィットなど1.3Lクラスのクルマに乗り換える人が増えている」。こうした上級車種からの乗り換え組である「ダウンサイザー」がコンパクト車の市場拡大を支えている。

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図●日産自動車「ノート」
フロント回りは「にっこり」がデザインテーマ。