日経オートモーティブ 新車レポート

MAZDA Premacy
中央のウオークスルーと
大開口スライドドアが売り

2列目中央席を収納式にするという画期的なアイデアで車体中央に空間を設けたのが最大の特徴。 何気ないスライドドアにもデザインと実用性を両立するための工夫が込められている。 「アクセラ」とプラットフォームを共有しつつ、フロア周りは全面的に新設計してフラット化を図った。 机上の空論ではなく、身近な人のアドバイスを設計に盛り込んだ結果だ。

 トヨタ自動車が2004年9月に発売した「アイシス」、日産自動車が2004年12月に発売した「ラフェスタ」。そして2005年2月にマツダが発売した新型「プレマシー」(図)。ミニバン市場で最も激戦区といえる2.0Lクラスで、各社の新型ミニバンが出そろった。この3車を並べてみると、共通点があることに気づく。それは「開放感」だ。
 アイシスは、助手席側のセンターピラーをなくすことによって、前後ドアを開け放ったときの広い開口部を実現した。ラフェスタは国産車最大のガラスルーフを標準装備することで、これまでにない明るい室内を演出した。
 そして新型プレマシーの最大の特徴は、1列目シートから3列目シートまで移動可能な空間を、室内の中央に設けたことだ。3列目までウオークスルーが可能になるだけでなく、3列目シートから室内前方を見通すと、中央に空間があることで見晴らしがよく、開放感を感じさせる。
 2列目シートを独立シートとしたミニバンはこれまでにもあった。これに対し新型プレマシーは単なる独立シートとすることなく、必要な場合には左右のシートの間にもう一つのシートを設けることができる「カラクリ7th」シートを採用したのが特徴。普段は6人乗りとしつつも、必要な場合には7人乗りが可能な「6+1」パッケージを実現した。

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図●マツダ「新型プレマシー」
会話の弾む室内と、乗り降りしやすいスライドドア、スタイリッシュな外観、それにマツダらしい運転する楽しさを四つのキーバリューと位置づけた。