地図データや衛星写真といった地理情報を利用したサービスに,インターネット検索エンジンの大手が続々と触手を伸ばし始めている。こうした勢いを如実に示していたのが, 2005年6月末に米国サンフランシスコで開かれた地理情報サービスに関するイベント「Where 2.0」。今回初めて開催された同イベントには,米Google Inc.や米Microsoft Corp.,米Yahoo! Inc.といった検索エンジン大手がスポンサーとして名乗りを上げた。参加者からは「地理情報サービス関連のイベントには幾つも参加してきたが,これだけ検索エンジンが目に付くのは初めて」(地理情報システムの開発を手掛けるカナダDM Solutions Group Inc., PresidentのDavid McIlhagga氏)という声が上がった。

 検索エンジンと地理情報サービスの融合がにわかに活気を帯び始めたのは,2004年10月のGoogle社による米Keyhole Corp.の買収以降である。Keyhole社は,衛星/航空写真を使った地理映像サービスで注目を集めるベンチャー企業だった。