携帯電話機やデジタル・カメラなど携帯機器の高機能化に伴い,より低消費電力でかつ,ある程度の容量を備えるメモリの需要が高まっている。こうした要求に対応するのが,低消費電力型のシンクロナスDRAMである「モバイルDRAM」だ。低消費電力を特徴とするメモリとしては「疑似SRAM」などもあるが,今回の記事では容量や動作周波数など性能面で有利なモバイルDRAMを取り上げる。

 携帯機器は機能の進化が目覚ましく,モバイルDRAMへの要求事項も刻々と変化しているのが現状である。こうしたことから本記事では,現在量産されている品種の仕様の説明に加え,モバイルDRAMの今後の性能変化の動向を合わせて示した。 (小谷 卓也)