地上デジタル放送をこれまでより高速に移動しながら受信する信号処理の手法を,NHK放送技術研究所が2005年6月に開催された「映像情報メディア学会 放送技術研究会」において報告した。試作した受信装置を使って室内のシミュレーション実験を行ったところ,4系統のアンテナを使ってUHF27チャンネル(中心周波数は557.143MHz)の放送をダイバーシチ受信した場合,所要C/Nが1dB程度上がるものの,100MHzのドップラー周波数まで受信できることを確認した。このドップラー周波数は200km/hでの移動受信に相当する。