米国市場でハイブリッド車の販売が急速に伸びている。ガソリン価格の高騰と環境規制の強化が大きな理由だ。トヨタ、ホンダを追って欧米メーカーも開発を一気に加速している。ただし、コスト、燃費の改善効果、小型軽量化と行く手を阻む課題もある。普及に向けて各社はどう挑むのか。開発最前線を探った。(田知本史朗、林達彦、川端由美=自動車ジャーナリスト)

Part 1:日米欧が競う
米国市場がターゲット 2008年の主導権狙う

ビッグ3、ドイツ車メーカーが相次いでハイブリッド車の開発に本腰を入れ始めた。彼らのターゲットはガソリン高騰でハイブリッド人気に火のついた米国市場。ただしハイブリッド車は通常のガソリン車よりも割高という批判の声もある。そこで燃費の良さだけでなく、車両価格に見合った付加価値として加速性能などの「走り」を強調する。

Part 2:開発最前線
燃費と走りで新たな魅力 独自方式の開発も進む

トヨタが1997年に発売した「プリウス」も、当初は動力性能に不満の声があった。しかし一部改良、全面改良を経て多くの人の支持を得るようになった。後を追う他のメーカーは独自方式を追求する。高速走行時の燃費などでトヨタ方式と差別化しようとしている。

Part 3:立ちはだかる課題
電池の進化が低コスト化の鍵 2010年にはLiイオンが主流か?

ハイブリッド車の普及に大きく立ちはだかるのが、コスト削減や燃費の改善、システムの小型軽量化などの課題である。より安く、より効果が高く、しかもパッケージの制約がないハイブリッドシステムを実現するための鍵となる技術を探る。