日経ものづくり 開発力強化の方策

第2回 プロジェクトの運営方法

プロマネは戦略的に育成し
リスクには回避方法を用意

北山 厚
アイティアイディコンサルティング
シニアマネージングコンサルタント

設計者約2000人の声から浮かび上がった開発力向上のポイントとして,今号はプロジェクトの効果的な運営方法について紹介する。プロジェクト・マネジャーの在り方と理想的なプロジェクト・マネジャーへの育成方法,プロジェクトを進めるうえで両輪となる進ちょく管理とリスク管理の考え方,コラボレーションを推進する会議の開催方法などについて考察していく。


 前号では,開発プロジェクトのスタート前およびスタート直後の業務にフォーカスを当て,開発力を向上させるためのポイントを述べた。今回は,開発プロジェクトの実施段階における運営を中心に話を進める。

プロジェクトの運用ルールが必要
 アンケート調査では,開発力の項目を71個に分け,設計者一人ひとりに全項目について評価してもらった*1。71項目のそれぞれに対して,プロセスの実行状態レベルとプロセス・手法の定義レベル,そしてその中の29項目についてはツール・インフラの環境整備レベルについても尋ねた。
 前者の二つ,プロセスの実行状態レベルとプロセス・手法の定義レベルの両者の相関を分析し,関連が高かった項目を上位から並べたのが表1。要は,ここに挙げられた項目についてはプロセス・手法の定義がしっかりとできていれば,実行状態も良くなる傾向が強いということを意味している。
日経ものづくり 開発力強化の方策
●プロジェクト・マネジャーに求められる理想像
プロジェクトを円滑に進めていくために,プロジェクト・マネジャーの果たす役割は大きい。そのため,プロジェクト・マネジャーにはプロジェクト管理理論を勉強するだけでなく,人から学び,自分ももちろんメンバーを育てる意識,スキルが必要となる。