携帯型音楽プレーヤなどで採用が広がる1インチ型のハード・ディスク装置(HDD)−。その記録容量が数年後,現在の1.8インチ型と同等の数十Gバイトに高まる可能性がにわかに現実味を帯びてきた。実現のカギを握るのは,今まさに製品化が始まろうとしている垂直磁気記録方式である。

 米Hitachi Global Storage Technologies,Inc.(HGST社)は,垂直記録方式を利用してHDDの面記録密度を230Gビット/(インチ)2に高められることを実証した。開発した技術を製品に適用すれば,1インチ型HDDの1台当たりの記録容量は20Gバイトと,現行品の3倍以上に高まる計算だ。3.5インチ型HDDに用いれば,1台当たりの記録容量は1Tバイトの大台に到達する。

 HGST社は面記録密度を230Gビット/(インチ)2に高めたHDDの製品化を,2007年ごろとにらむ。