RoHS指令の施行まで1年余り。エレクトロニクス・メーカーの対応は大詰めの段階に入った。大手メーカー12社のRoHS指令への対応状況や,グリーン調達の内容を調査する中で,現場の技術者を悩ませる幾つかの問題が浮かび上がった。(小谷 卓也=本誌)

 2006年7月にEU(欧州連合)で施行されるRoHS指令に向けて,大手エレクトロニクス・メーカーの対応が大詰めを迎えている。ここにきて,規制対象の6物質を製品から排除するメドを着々と付けつつあるのだ。例えばキヤノンは,2005年1月以降に発売する新製品は原則としてRoHS指令にほぼ対応しているとするほか,東芝は「2005年3月末時点で規制対象製品の対応をほとんど完了した」(同社 広報室)という。ほとんどのメーカーでは,2005年末までにおおむね対応を完了する見込みだ。

 表面上は,着々と進んでいるかのように見えるエレクトロニクス・メーカーのRoHS指令対応だが,完全対応に向け奔走する現場の技術者の頭を悩ませる問題が,大きく2つ浮かび上がっている。