フジクラ,三洋電機,タキオンの3社は,無線タグ(RFIDタグ)用のアンテナをタグのIC上に作り込んだ。アンテナは起電力用のインダクタも兼ねる。Siウエハーをチップに切り分ける前にICのパッケージングを済ませるWL-CSP(wafer-level chip scale package)技術を応用した。2.45GHz帯無線タグ用アンテナのほか,UHF帯から5GHz帯までの幅広い周波数に対応可能という。

 3社はこのアンテナを,無線タグを使う食品の安全管理システムの実現を目指す中で開発した。WL-CSP技術を提供したフジクラは「無線タグに限らず,同じ技術で高性能なインダクタやキャパシタをオンチップで作れるため,VCO(電圧制御発振器)やLNA(低雑音アンプ)にも応用できる」(同社 電子デバイス研究所マイクロデバイス開発部 部長の伊藤達也氏)という。