日経ものづくり 特報・愛知万博

愛知万博に大集合
ロボットと近未来の乗り物

日経ものづくり 特報・愛知万博

「新しい21世紀はこうなるんだ。それを頭で考えるのではなく体感してもらいたい」。2005年日本国際博覧会協会事務総長の中村利雄氏は,愛知万博のプレスプレビュー当日,NEDOパビリオンのオープニングセレモニーでこう語った。実際,同万博は近未来の技術の宝庫だ。ロボットしかり,輸送・移動システムしかり,そしてエネルギも・・・。本稿では,その一端を紹介する。会期は2005年9月25日までだ。

ロボット
80種類以上が作業やショーを実演

 愛知万博では,最新技術を満載したさまざまなロボットが登場する。特に,人間の生活や作業をサポートするロボットが目立つ。約半年間と開催期間が長く,多くの来場者が見込まれる万博への出展は,実用化に向けた課題を抽出するまたとないチャンスとなるからだ。

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●夜間に会場内を移動して清掃するロボット

エネルギ
燃料電池や太陽電池が大活躍

 ロボットや近未来の乗り物に加え,愛知万博で注目したいのが,次世代のエネルギ源とその応用機器。燃料電池バス「FCHV-BUS」や海外からの来賓を先導する燃料電池車などに燃料を供給する水素ステーション,見学も可能な新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)の「新エネルギー実証プラント」,実際に借りて使える燃料電池搭載の携帯情報機器「Nature Viewer」,燃料電池で動く銀河時計などがそれだ。

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●「日立グループ館」で貸し出される燃料電池を使った携帯情報端末「Nature Viewer」

輸送・移動システム
実現間近の乗り物を体験

 さまざまな新しい乗り物に出会えるのも,愛知万博の魅力の一つ。例えばトヨタグループ館のメインショーには,トヨタ自動車の1人乗りコンセプトカー「i-unit」が登場し,ダンサーたちと一緒にくるくると踊るように走る姿を見られる。車体に埋め込まれたLEDの色を変えながら走行する幻想的なショーだ。開催期間が半年に及ぶ万博での運用を通じ,耐久性や信頼性を検証する。

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●トヨタ自動車の1人乗りコンセプトカー「i-unit」