携帯電話機に内蔵された無線LAN機能の有力な用途が見えてきた。家庭やオフィス・ビルなど構内において,携帯電話機を無線LAN経由で固定通信網に接続し,より低廉な料金で通話するというアイデアである。

 例えば携帯電話機に搭載した無線LANを使って,家庭の無線LANアクセス・ポイントに接続する。このアクセス・ポイントがADSLルータを介して宅外ネットワークに接続している場合,これを使って宅内においては,音声を無線LAN経由のVoIPで伝送することができる。月々定額のADSL回線であるため,宅内からの携帯電話機利用の音声通話を無料にすることもできる。無線LANの利用と携帯電話網の利用は,ユーザーがあらためて選択する必要はなく,専用のソフトウエアが自動的に回線を選んでくれる。

 ここへきて携帯電話事業者が,携帯電話網と無線LAN/VoIPを組み合わせたサービスの実用化に向けて具体的な動きを開始した。中でも最も注目されているのが,UMA(Unlicensed Mobile Access)と呼ばれるコンソーシアムの活動である。