「LSI回路設計技術の勝利」。今回発表された「Cell」に対する技術者の評価を集約すると,このような表現になる。発表内容からはプロセサのアーキテクチャや製造プロセスに目新しさはないが,「相当な開発リソースを割いて回路設計を最適化しないと,ここまで高性能で低電力のチップを実現できない」と,大手LSIメーカーの回路設計技術者は舌を巻く。
製造プロセス●
SOI,ひずみSi駆使しつつ量産性重視
高性能化を至上命題とする「Cell」は一見,最先端のプロセス技術を詰め込んでいるように見える。実際,90nmノード(hp130)のSOI(silicon on insulator)技術に,独自のひずみSi技術を組み合わせるなど,通常のプロセス技術に比べれば,かなり手が込んでいる(図4)。しかし,その一方で確実な量産立ち上げを実現するために,シンプルなプロセス作りを追及している点も見逃せない。
アーキテクチャ●
徹底的なソフト化で性能/電力を向上
〈インタビュー〉
村上 和彰,井上 弘士,吉松 則文
九州大学 大学院システム情報科学研究院
「Cell」のアーキテクチャがついに明らかになった。Cellは「プレイステーション2」の心臓部である「EE(Emotion Engine)」の後継機に当たり,次世代ゲーム機などに搭載されると見られる。しかし,その狙うアプリケーションはゲーム機を越えたところを見据えた野心的なものであることが,アーキテクチャから読み取れる。
コンピューティングに革新もたらし
人間の能力を超えた世界を作り出す
〈インタビュー〉
久多良木 健 氏
ソニー 取締役副社長