短距離で高速伝送が可能なVDSL(very high-bit-rate digital subscriber line)。マンションやビル構内の通信サービスを足掛かりに採用数を増やしている。2005年,データ伝送速度は上り,下りとも100Mビット/秒に達する。そして次に狙う市場は家庭である。(新井 将之=本誌)

Raveh Gill-More
イスラエルMetalink Ltd.,AVP Marketing,Carrier Products
片山 雅美
メタリンク カントリーマネージャー

 VDSLは,ADSL(asymmetric digital subscriber line)と同様に既設の電話線を利用して高速データ伝送を可能にする技術である。数百mの短距離ならADSLを超える伝送速度を実現できる。現在,日本においてVDSLサービスは,マンションやビルの構内通信を中心に利用されている。例えばFTTB(fiber to the building)などにより高速な通信回線をマンション構内に引き込み,各戸の端末まではVDSLを使って分配するというものだ。マンションの配電盤などの共用スペースに終端装置(DSLAM)を設置し,電話線を使って各部屋に置いたモデム(CPE)と結ぶ。大規模な配線工事をしなくても比較的手軽に高速な通信サービスを提供できる。