1991年に実用化してから14年——。ついに負極材料を変更したLiイオン2次電池が登場する。先陣を切ったのは,Liイオン2次電池の生みの親であるソニーだ。同社は,既存のカメラ一体型VTR(ビデオ・カメラ)の電池パックとして,世界で初めて負極材料を変えたLiイオン2次電池「Nexelion」を2005年春に商品化する。

 実用化するのは,直径14mmで高さ43mmの「14430」サイズの円筒型セル。電池パックには,このセルを4本搭載する。セルは正極と負極の材料をそれぞれ変えることで,電流容量を同社従来品に比べて30%高い910mAh,電力容量を同20%高い3.15Whに引き上げた。体積当たりのエネルギー密度は同社従来品に比べて20%高い478Wh/l,重さ当たりのエネルギー密度は同10%高い158Wh/kgである。もちろん,電解液についても正極と負極の材料を変えたことに合わせて改良している。