詳報
中村氏の陰で見えなかった貢献者たち
10年を経て東京高裁が成果を認める

中村氏の貢献度は5%,404特許は1010万円─青色LED訴訟

 「青色LED訴訟」が2005年1月11日に終結した。和解金額は「6億857万円」で遅延損害金を含めて「8億4391万円」。東京高等裁判所は中村修二氏が日亜化学工業で発明者として名前を残した「404特許」や「共同発明」を含む合計195件の特許について相当対価を計算し,それを和解金額に当てはめた。「将来の紛争も含めた全面的な和解」(東京高裁)だ。

 一審では404特許1件のみを大きく評価したが,東京高裁は404特許以外の存在を認め,日亜化学工業の競争力は多くの特許とノウハウの「集合体」であると判断した。この判断から,東京高裁が示した中村氏の貢献度は「5%」。また,東京高裁が示した計算式を基に日亜化学工業側の弁護士である長島安治氏が算出した404特許1件の相当対価は「最大限に見積もっても1010万円」だった。

 金銭の多寡を除き,この訴訟が多くの技術者に与える意味は「スターの陰に隠れていた無名の技術者の成果や貢献が認められたこと」だろう。