「まだ本格的な実用すら始まっていない技術なのに,この出展数と来場者はすごい」(燃料電池関連の技術者)。2005年1月19日~21日に東京で開催された「第1回 国際燃料電池展」は,延べ2万人を超す来場者を集めた。

 来場者で込み合う会場でひときわ注目を浴びていたのは,ダイレクト・メタノール方式の燃料電池(DMFC)で問題となるクロスオーバーを低減できる,炭化水素系の電解質膜である。これまで使われてきたフッ素系膜はクロスオーバーが起こりやすいため,高濃度なメタノール水溶液を使えず,発電効率を高められない問題があった。

 そのフッ素系膜に比べてクロスオーバーを1/100にまで低減できる電解質膜を日立化成工業が出展した。