ソニーは,テレビ事業の軸足を「液晶テレビと画素型の背面投射型プロジェクタ(リアプロ)に移す」(同社 広報センター)という。2005年春にもPDPテレビ事業から撤退するという一部報道に対しては,すぐに撤退するという事実はなく,今後PDPテレビの新機種の発売も予定していると同社は説明する。しかし,ライバルのテレビ・メーカーが自社開発のパネルと組み合わせてセットの魅力を打ち出す中,パネルを外部調達に頼るPDPテレビでは,魅力ある特徴を打ち出しにくいのは確かだろう。
 ただし,ソニーが液晶テレビと画素型リアプロに注力するのは,垂直統合型の開発による事業強化だけにとどまらない。狙いは,HDTVを超えた性能を備えるテレビの実現にありそうだ。走査線1080本以上の解像度やsRGB規格を大きく超える色再現範囲,そして10ビット以上の階調を持つ映像コンテンツの表示など「超HDTV」への対応だ。