電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及に欠かせない充電インフラ。2013年7月、ソフトバンクモバイルと楽天が相次いで充電インフラを使いやすくする取り組みを発表した。

 ソフトバンクモバイルは、ベネッセホールディングスや電気自動車普及協議会(APEV)と共同で、瀬戸内海の豊島で小型EVを用いた充電サービスの実証実験を2013年7月20日から始めた。充電器と車両の間をつなぐ通信システムを提供する(図1)。新しく開発した通信モジュールを使い、充電時の車両の認証と決済を簡単にする狙いがある。

 同月23日、楽天はエネルギ関連サービス「楽天ソーラー」で、ニチコン製のEV用充放電設備「EVパワーステーション」を取り扱うことを発表した(図2)。楽天は法人向けにビルなどのエネルギを管理するシステムを提供している。EV用充放電設備を取り扱うことで、法人に加えて一般住宅のエネルギ関連サービスを手掛けていく狙いがある。

 2社はともに、太陽電池事業に関わる。将来は太陽電池と車両、そして住宅やビルなど多くの施設のエネルギを統合して管理するサービスを手掛けたいという思惑がありそうだ。

以下、『日経Automotive Technology』2013年11月号に掲載
図1 ソフトバンクモバイルが豊島で充電サービスの実証実験を開始
図1 ソフトバンクモバイルが豊島で充電サービスの実証実験を開始
(a)日産の小型EVに新開発の通信モジュールを搭載する。(b)同社の通信方式に対応した充電スタンド。
図2 楽天がEVと住宅の間で電力をやり取りできる充放電設備を販売
同社のエネルギ関連サービス「楽天ソーラー」を通じてニチコン製の充放電設備を取り扱う。写真は楽天のWebサイト。
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