日産自動車は8月から9月にかけて米国カリファルニア州で、新型車を中心とした大規模な試乗会「日産360」を開催した(図1)。Infinitiブランドの新型「Q50」に加え、Datsunブランドの新型車「Go」、「リーフ」ベースの自動運転車を公開した。

 日産360の開催は、2004年のサンフランシスコ、2008年のリスボンに続き、今回が3回目だ。当初の構想では4年に一度、世界各地を巡って開催する予定だった。「今回はアジアや中東での開催を目指し、マカオ、ドバイ、そして北海道などを検討した。しかし、社会情勢や物流の利便性、宿泊施設の確保といった観点から、カリフォルニア州オレンジ郡にある米海兵隊El Toro基地跡地での開催を2年程前に決めた」(日産関係者)という。

 本来の開催は1年前となるべきだったが、Datsunを含めた3ブランド体制を強化するのが2014年からで、そこで登場する新型車を訴求することも考慮し、2013年夏が最適だと判断した。

 試乗会に持ち込んだのは、新型車が100モデル強。これに1935年式ダットサン「14ロードスター」など歴代の名車やInfinitiブランドの最新コンセプトモデルを加えて、合計で130台にも上った。新型車は日本、北米、欧州、中南米、中国、東南アジア、中東、アフリカなど世界中から集まり、市街地やクローズドコースで試乗できた。参加者は、世界各国の報道関係者約800人に加え、販売店関係者や日産車のミニカーを製造販売する玩具メーカー関係者まで含めて、合計で1500人に及んだ。

以下、『日経Automotive Technology』2013年11月号に掲載
図1 カリフォルニア州で開催さ
れた「日産360」
図1 カリフォルニア州で開催された「日産360」
会場中央の大型仮設テント。場内にはモーターショー会場のようにコンセプトモデルが並ぶ。