ドイツContinetal社の日本法人であるコンティネンタル・オートモーティブは、最新技術を載せた試作車を公開する「TechRide2013」を開催した。同社社長のChristoph Hagedorn氏は、これから自動車技術が向かう先として、よく言われる安全、環境、情報マネジメントの3テーマに加え、“アフォーダブルカー”と呼ぶ、普及価格帯のクルマの技術がこれから重要になると語った(図1)。新興国の市場が巨大になることを見据えたものだろう。

電動ブレーキの急減速をデモ

 安全技術の代表的なものとして、同社の電動ブレーキ「MK C1」を積んだ米Ford Motor社の「C-Max」に記者団を試乗させた(図2)。MK C1はモータでボールねじを駆動し、ピストンを押してブレーキ圧力を発生させる(図3)。ペダルの動作角度をセンサで測り、ピストンのストロークにフィードバックさせてブレーキ力を制御する“ブレーキ・バイ・ワイヤ”だ。ペダルにはシミュレータピストンがあり反力感を“演出”する。電気系統が故障したときには、そのピストンがマスタシリンダとして働き、倍力装置のないブレーキとしての制動力を確保する。

 ぺダルの反力はカチッとした印象のない“Ford味”だが、シミュレータの特性は顧客の要求に合わせて変えられる。普通のブレーキの反力感は、キャリパやブレーキホースの剛性などに影響されるため簡単には変えられない。

以下、『日経Automotive Technology』2013年11月号に掲載
図1 コンティネンタル・オートモーティブ社長のChristoph Hagedorn氏
図1 コンティネンタル・オートモーティブ社長のChristoph Hagedorn氏
今後のテーマとして安全、環境、情報マネジメントのほか、アフォーダブルカー(普及価格帯のクルマ)の重要性が増すと語る。
図2 電動ブレーキ「MK C1」を積んだ米Ford Motor社の「C-Max」
図2 電動ブレーキ「MK C1」を積んだ米Ford Motor社の「C-Max」
強烈な効きを体験できる。
図3 「MK C1」
図3 「MK C1」
右はABSユニット。