【調査テーマ:イノベーションへの取り組み】
今や製品やサービスの開発にイノベーションは欠かせない。ところがそのための仕組みや制度を導入している企業は全体の4割弱にとどまった。当の技術者も、自分が望むほどの時間をイノベーションに充てられていない。時間のない中でイノベーションを生むにはどうしたらいいのか。その答えは意外にも、ブレインストーミングやなぜなぜといった「当たり前の手法」の中にあった。逆に言えば、多くの企業がこうした手法すら実践せず競争力を落としている可能性がある。(池松由香)

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 調査ではまず、「製品やサービスの開発にイノベーションが求められていると思うか」を聞いたところ、94.6%が「思う」と回答した。しかし、「イノベーション」の解釈は人それぞれ。そこでイノベーションの定義を聞いてみた。すると、「顧客に新たな価値を提供する製品(サービス)を生み出すこと」(64.8 %)が圧倒的多数だった。一般にイノベーションと聞けば「技術の革新」を思い浮かべがちだ。しかし、多くの技術者が、新技術を用いることや製品(サービス)の機能・性能を上げることに必ずしもこだわっていないことが分かった。

 
〔以下、日経ものづくり2013年9月号に掲載〕