「シャープを必ず再生させる」。2013年5月14日に開催した中期経営計画(2013~2015年度)の説明会で、2013年6月25日付けで新たにシャープの代表取締役社長に就任する高橋興三氏は力強く何度もこう言い切った(図1)。高橋氏が示した2015年度の業績目標は、売上高3兆円、営業利益1500億円、当期純利益800億円。経営危機に陥った2012年度に、売上高が2兆4785億円に落ち込み、1462億円の営業損失、5453億円の当期純損失を計上した状況から、V字回復すると宣言したわけだ。

勝てる市場・分野に注力

 再生と成長に向けて、高橋氏は「当社の原点である“誠意と創意”をはじめとする創業の精神以外はすべてを変える覚悟」を示した。同氏がとりわけ強調したのは大きく3つ。第1に既存事業のポートフォリオ再構築、第2に自前主義からの脱却、アライアンスの活用、そして第3に新規事業の開拓である。
〔以下、日経ものづくり2013年6月号に掲載〕

図1●シャープの代表取締役社長に就
任する高橋興三氏
図1●シャープの代表取締役社長に就任する高橋興三氏
2013年6月25日付けの社長就任を予定する。