実作業に挑戦

 3Dプリンタと3Dスキャナの実力を体感してもらおうと、通常のものづくり塾とは異なり、これらの実機を設置してある東京・渋谷の施設を借りて、体験型のセミナーを開催。午前中の座学では、3Dプリンタや3Dスキャナのさまざまな手法の原理、具体的な活用事例などを解説し、午後のワークショップでは、3Dプリンタや3Dスキャナを使いながら、実力を体感してもらった。

 3Dプリンタでは、さまざまな機種の動作を見たり、これらで造形した立体モデルの実物を手に取って大きさや重さ、精度などを確認したりしつつ、重要な後処理であるサポート部の除去も体験。ニッパを使った切断や電動ヤスリによる研削の他、ワックス製サポートの除去では、オーブンで溶かしてから超音波洗浄した後の脂分を水道水で洗い落とす作業も体験してもらった。

 一方の3Dスキャナでは、2種類の装置を使って実物を測定し、それから得られる点群データを観察。測定の向きや対象物によってどのように測定結果が変わるのか、参加者のリクエストに応じながら試行錯誤しつつ、進んだ。さらに、点群データをCADデータへと変換するデータ処理も体験してもらうなど、「データ作成の一連の工程が分かって、とても役立った」(ある参加者)と好評だった。