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HOME日経ものづくり 2013年2月号 > 世界のニッチ市場へ

日経ものづくり 2013年2月号

世界のニッチ市場へ

米澤 昭一 ニチアス 取締役執行役員研究開発本部長

  • 2013/01/25 15:19
  • 1/1ページ

シール材や断熱材、フィルタなどBtoB製品を主力に据えるニチアス。同社の戦略は、たとえ1つひとつの市場は小さくとも、独自技術を駆使し顧客にとって「なくてはならない製品」を供給することだ。これまで国内市場を中心に展開してきた同社がグローバル展開を見据え、従来とは違った戦術を練り始めた。

写真:栗原克巳

 当社は「熱を断つ」「温度を保つ」といった「断つ・保つ」をコア技術として、シールをはじめ、耐火、断熱、防音、耐食、クリーンの広範な分野でさまざまな製品を送り出しています。ここで「広範な」と申しましたが、それを如実に示すデータがあります。図をご覧下さい。棒グラフが当社の売り上げの推移を示したもので、折れ線グラフの日本の国内総生産(GDP)と強い相関関係があることがお分かりいただけると思います。このデータはすなわち、当社のビジネスが特定の産業分野に依存せず、全産業分野に及んでいることを示しているのです。

 このような形で100年以上もの間、企業活動を続けてこられたのには、大きく2つの要因があります。1つは、「断つ・保つ」の技術をベースとして独自製品を開発してきたこと。もう1つは、工場や営業所など全国に約150ある拠点で顧客ニーズを拾い上げ、それにきめ細かく対応してきたことです。各製品の市場は決して大きくありませんが、そこでお客様の信頼を得ることで116年にわたる歴史を築いてきました。

ところが、そんなニッチな国内市場だけを見ているわけにはいかなくなってきたのです。先ほどの図を改めてご覧下さい。当社の売り上げとGDPに強い相関関係があると申しましたが、2008年のリーマン・ショック以降、国内市場の冷え込みと連動する形で同社の売り上げが落ちています。ここから再び上昇カーブを描くには、従来の国内市場だけではなく、遅まきながらグローバル市場も見据えていかなくてはなりません。

 そしてそこには、ニッチ市場をターゲットにしてきた当社ならではの課題があることに気付きました。
〔以下、日経ものづくり2013年2月号に掲載〕(聞き手は本誌編集長 荻原博之)

米澤 昭一(よねざわ・しょういち)
ニチアス 取締役執行役員研究開発本部長
1957年11月、長野県生まれ。1980年3月近畿大学理工学部卒業。1989年2月ニチアス入社。2007年11月同社工業製品事業本部無機断熱材事業部長、2008年3月同社工業製品事業本部高機能製品事業部長。2009年6月同社執行役員、2010年3月同社高機能製品事業本部長、2011年5月同社研究開発本部長、2012年6月同社取締役に就任し、現在に至る。趣味は1960年代の米国のアンティーク収集で、座右の銘は七転八起。