ソフトウエアのセキュリティ情報などを扱う情報処理推進機構(IPA)が、自動車のセキュリティ対策が今後重要になると警鐘を鳴らす。最悪の事態に備えるため、自動車メーカーなどと共同で国内で対策を議論し始めた。
今や自動車を制御するソフトウエアの規模は約1000万行にのぼり、車載LANには膨大な制御信号が流れる。IPAはクルマのソフトウエア化が進むと、悪意のある第3者によるハッキングが起こるとみる。車載LANなどを介して電子制御ユニット(ECU)に偽の信号を流し、ステアリングやブレーキなどを操作するといったことだ。
こうした最悪のシナリオに備え、IPAは日系自動車メーカーや外資系ソフトウエアベンダを集めた研究会を立ち上げ、自動車の組み込みシステムのセキュリティ問題について議論してきた(図1)。2012年度末に、対策をまとめたガイドラインを発行する計画である。