100人の大人数が活発に質疑応答

 「ものづくり塾」シリーズのセミナーとしては、参加者が初めて100人に達し、やむなく参加受け付けを打ち切った。このテーマに関する関心の高さがうかがえた。

 講師は、かつて本誌「開発の鉄人現場を行く」に「何でもくっつける教授」として登場した森邦夫氏。材料同士の界面を結びつけるメカニズムとしては機械的結合、分子間力、化学結合が考えられるが、このうち化学結合を実現できれば非常に大きな接合強度が得られる。この理論と、フレキシブル基板やインサート射出成形品などの応用の解説をしていただいた。

 途中、昼休み前にはヘアドライヤを用いた簡単な実験を実施。あらかじめ化学物質で処理した材料同士を合わせて加熱するだけで強固な接合を得られた。ただし、運営サイドとしては、この実験が参加者全員に見やすくはなかったという反省が残った。次回以降は改善したいと考えている。

 昼休み、講演終了後ともに講師に名刺交換を求める長い列ができたのも印象的だった。参加者が個別に抱えている「この材料とこの材料は付けられるか」「この材料の接合は難しいか」といった問題についての質問が引きも切らなかった。