サポートセンター側からネットワーク越しにユーザーの機器の状況を把握して問題を解決する技術が、広がりつつある。パソコンやスマートフォンに続き、今度はテレビに搭載される。今後は、家庭内のあらゆる機器に広がる可能性がある。

同じ画面を使って遠隔サポート

 インターネット越しに、サポートセンターが家庭内の機器の状況を確認しながら、時には遠隔から操作してトラブルを解決する──。こうしたネット・サポート技術は、これまでもパソコンやスマートフォンで活用されてきた。例えば、パナソニックのノート・パソコン「レッツノート」。同社は、エヌシーソフトサービスセンターの遠隔サポート・ソフトウエア「RSup」を採用。同ソフトを使うことで、サポートセンターから操作誘導用のマークをユーザーのパソコン画面に表示することで、操作のサポートを行う。

 スマートフォンでは、KDDIがパナソニックのパソコンと同様のサービスを提供済みである。オプティムのリモート・サポート・ソフト「Optimal Remote」を利用しており、エージェント・ソフトをKDDIが提供する端末にプリインストールして実現している。

 パソコンやスマートフォンに続き、今度はテレビに、冒頭のようなネット・サポート機能が搭載された。ここにきてテレビに同機能が搭載され始めた理由は二つある。一つはテレビに内蔵されるプロセサがスマートフォン並みに高速になってきたこと。もう一つは、テレビにおけるネットワーク機能の利用の一般化である。

接続先の機器も対象に

 ネット・サポート技術は、パソコンやスマートフォン、そしてテレビのような、単独でインターネットに接続できる機器にまず搭載される。しかし、ここが終着点ではない。こうした機器につながるAV機器やHDD、プリンターに加え、白物家電や健康機器など、家庭内にあるあらゆる機器がネット・サポートの対象になる。

『日経エレクトロニクス』2012年12月10日号より一部掲載

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