メカトロ製品の生産性を2倍に
改善活動では、各工程の生産性を高めることも大切だが、工程間の生産性のバラつきを抑えて全体を底上げし、最終的には工場全体の生産性を向上させなければならない。ここで役立つのが「VPM(Value Producing Management)」だ。VPMは、科学的手法を駆使し、工場や生産ライン全体を俯瞰的に分析するツールである。これを使えば、生産性の向上を阻害しているボトルネックを簡単に見つけ出すことができる。そして、それを潰すことで工場全体の生産性を高めていくのだ。
前回は、熱硬化性接着剤の熱処理工程を例にして、実際の改善活動に入る前のシミュレーションを紹介した。しかし、これは1つの工程を対象にしたものだ。そこで今回は、工場全体の生産性を高めるためにVPMを適用した改善活動の流れを紹介する。あるメカトロニクス製品のメーカーの事例だ。同社は、VPMによる2年間の改善活動により生産性を2倍に高めることができた。
〔以下、日経ものづくり2012年12月号に掲載〕
テクノ経営総合研究所 ものづくりセンター長