3次元(3D)設計データを基に作業指示書を半自動的に作成するツールの改良版を、富士通/デジタルプロセス(本社神奈川県厚木市)のグループとラティス・テクノロジー(本社東京)が相次いで発表した。国内工場だけではなく、海外工場の新製品生産立ち上げに役立つように、アニメーションや現地語を使える。

 国内メーカーは、これまでの生産技術の蓄積を海外の生産拠点でも生かすことで、より良い品質や納期を確保しようとしている。工程設計や指示書作成などの生産準備はそのための重要な作業であり、そこで使うツールには国内の知見が必要になる。富士通グループとラティス・テクノロジーはいずれも、顧客である国内メーカーの要望を受けて開発を進めてきた。

組立手順を自動算出

 富士通とデジタルプロセスは、2012年11月2日にデジタル・モックアップ・ツール「VPS」の新版「同V15L13」を発売した。CADから読み込んだ3Dモデルを基に組立手順を自動的に算出する機能を設けたのが特徴だ(図)。以前のバージョンで開発済みの3Dアニメーション自動生成機能と合わせて、「従来は1週間必要だった1000部品程度の製品の組立手順書を、3時間以内で作成できるようにした」(富士通)という。

〔以下、日経ものづくり2012年12月号に掲載〕

図●VPSの画面
図●VPSの画面
左端に組立手順を示すツリー表示が見える。