品質問題の解決に道筋

 少しずつ普及しているとはいえ、MTシステムに全く触れたこともない参加者が少なくないのではないか。講師や編集部のこうした予想と裏腹に、セミナー当日は「MTシステムを使っているものの、なかなかうまくいかない」という悩みを抱えた参加者からの鋭い質問が相次いで寄せられた。

 セミナーの名称にもあるように、今回は企業によるMTシステムの活用事例を多数紹介しつつ、その使い方や効果を分かりやすく説明する形式だった。そのため、多くの参加者は自社と似たような品質問題に直面していた企業の事例が紹介されると、今がチャンスとばかりに日ごろの疑問を講師にぶつけていた。質問の中身も「この場だから話せるけど…」といった“濃い”内容のものが多い。

 講師の立林和夫氏は、MTシステムやその大本であるタグチメソッドのコンサルタントとして、多くの企業で導入を支援している。同氏はその豊富な経験に基づいて、さまざまな業種・職種の参加者から寄せられる品質問題に対し、現場で取るべき対策を的確に指南する。質問した人が「なるほど、そうすればいいのか」というふうに納得した様子が印象的だった。