2012年9月27日にフランス・パリで開幕した「Mondial de l'Automobile 2012(パリモーターショー2012)」(図)。欧州不況がささやかれる影響を感じさせず、「世界初」となる出展車両の数は100程度と前回とほぼ同じだった。プラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)といった電動車両の出展が相次いだ。ガソリン車では、欧州で売れ筋となっている小型SUVの新型車を各社が多く発表した。

図 会場
図 会場
パリ郊外の「Porte de Versailles」の入り口。

 対照的だったのが地元フランスと隣国ドイツのメーカーである。元気なのがドイツメーカー。従来の方針を転換して新たに挑戦するBMW社、将来への布石を着実に打つDaimler社、変えないことで存在感を示すVolkswagen社と各社各様の方針が際立った。一方でフランス系メーカーは直近を見据えた車両の出展にとどまった。Peugeot社が小型SUV、Renault社が小型車を出展した。これらに対し、日系メーカーで気を吐いていたのがスズキだ。同社で初めてのCセグメントの車両を披露した。韓国勢は、Hyundai Motor社がFCVを量産すると発表して注目を集めた。

以下、『日経Automotive Technology』2013年1月号に掲載