製造手法はシンプル

 抵抗変化型メモリ(ReRAM)や相変化メモリ(PRAM)、磁気メモリ(MRAM)などがひしめく次世代メモリの主役争いに、新たな対抗馬が加わった。米Nantero社が開発した、カーボン・ナノチューブ(CNT)を使う不揮発性メモリ「NRAM」だ。DRAM並みに動作が高速で、ビット当たりのコストでもDRAMをしのぐ可能性を秘めている。

 既に基礎的な開発を完了しており、量産が近い段階にある。複数の大手半導体メーカーが「量産ラインで技術評価を進めている」(Nantero社CTO&Co-FounderのThomas Rueckes氏)という。民生機器向けのマイコンに混載するメモリとして、1~2年以内にも量産が始まる見通しだ。将来的には「DRAMの代替や、(DRAMとNANDフラッシュ・メモリの性能差を埋める)ストレージ・クラス・メモリへの応用を狙う」(同氏)考えである。

『日経エレクトロニクス』2012年10月29日号より一部掲載

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