日産自動車は、2012年9月3日に新型「ノート」を発売した(図)。新開発の1.2L・3気筒直噴スーパーチャージャ付きエンジン「HR12DDR」を搭載し、25.2km/L(JC08モード、以下同)という低燃費と、1.5Lエンジン並みの動力性能を両立したのが特徴だ。

 新型ノートは、「マーチ」と同じVプラットフォームを使った世界戦略車。新型ノートの発売を機に、「ティーダ」は国内販売をやめて、ノートに統合する。この点について日産は「新型ノートは室内スペースをティーダ並みに拡大し、これまでティーダに乗っていたユーザーにも受け入れられると考えている。国内市場が縮小傾向なこともあり、両車種の統合を決めた。中国で販売している新型ティーダを日本で販売する計画はない」と説明する。
 国内向けノートは日産自動車九州で生産し、年産12万台を予定する。ほかに北米、欧州でも生産することが決まっている。世界生産・販売台数は35万台を計画している。
 新型ノートに搭載するHR12DDRエンジンは、「マーチ」に搭載されているアイドリングストップ機構付き直列3気筒「HR12DE」エンジンをベースに、直噴化し、スーパーチャージャを装着したものである(エンジンの詳細については本誌2012年9月号、pp.14-15参照)。
 アイドリングストップ機構の採用、副変速機付きCVT(無段変速機)の採用、空力特性の向上、車体の軽量化なども相まって、同エンジン搭載の「SDIG-S」(2輪駆動仕様)で25.2km/Lと、従来型ノートの18.0km/Lよりも40%向上させた。一方で、従来の1.5Lエンジン搭載車並みの加速性能も確保している。HR12DEエンジン搭載の「X」(2輪駆動仕様)は22.6km/Lと、従来よりも26%向上させており、同じエンジンを積むマーチと変わらない。

以下、『日経Automotive Technology』2012年11月号に掲載
図 新型「ノート」
図 新型「ノート」
「ティーダ」の顧客層もカバーするために、室内スペースをティーダ並みに広くした。