説得力ある解説で高評価

 「日本メーカーはライバル企業を見て動く。インドに進出するか否かについて、ためらっている場合ではないでしょう」「インドにはクルマを買える余力を持つ中間層が4000万人もいる。まだまだ製品が売れるのに、日本メーカーが製品を売っていないのです」

 自動車の販売台数の伸びが年率15%を超えるなど、驚異的な経済成長を続けるインド。そのビジネスチャンスをものにしようと、米国や欧州、韓国、中国など世界中のメーカーが続々とインド市場に参入する。それに対し、日本メーカーの数はまだまだ少ない。こうした講師の言葉に、多くの受講者がうなずいていた。質疑応答では、海外企業と比べた日本企業の問題点に関して突っ込んだ質問が飛んだ。インド事業を成功させる使命を負っているのか、受講者は全員、真剣そのものだった。

 インドの自動車社会の実態から、現地メーカーTata Motors社の自動車開発、日本企業がインド市場参入に際して考慮すべき課題まで、講師の解説は説得力にあふれていた。自ら足繁くインドに通って得た豊富な情報に基づく分析だからだ。なにしろ、TataMotors社の会長とも率直に話せる間柄。受講者から高い評価を得たことにも納得がいく。