グループ演習で企業間の交流も

 2010年6月以来、累計で6回を開催してきた公差設計のものづくり塾。今回は初めて、2日間コースを実施した。1日目が基礎コース、2日目が実践コース。より幅広い方々に受講してもらおうと、2日間連続でも、どちらか片方でも受講できるようにした。

 1日目は公差とバラつきの関係、公差計算の方法、公差とコストの関係など、公差設計の基本を講師の栗山氏が実体験を織り交ぜながら解説。受講者からは「理解しやすかった」「密度が濃かった」などの声が多数寄せられた。

 2日目の大半は、3人1グループで公差設計の演習問題を解くプログラムに費やされた。ほとんどの受講者が初対面のはずなのに、そこは技術者同士の連帯感なのか、1つの目的に向かって皆が意見を交わし合い、役割分担しながら課題に取り組んでいた。「他社の考え方などが聞けて有意義だった」との声もあった。

 プログラムの最後には40分ほどの質疑応答の時間を設けた。しかし、熱心な受講者が多く、講義終了後には講師の栗山氏の前に順番待ちの列ができるほど。各社各様で切実な相談が多く、1人当たりに要する時間も長くなりがち。それでも、待ちきれずに帰る受講者はいなかった。実りある公差設計講座となったようだ。