今、半導体や薄型テレビ、コンパクトカーなどにおいて、日本メーカーの相対的な競争力が弱まっている。新興国・地域(韓国、台湾、中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア)のメーカー(以下、新興国メーカー)に押されていることが最大の理由だ。両者の競合はかなり進んでいる。注目すべきは、新興国メーカーの競争力の急上昇だ。5年後には劣位にあると危機意識を持つ日本メーカーが多い。(近岡 裕)

 所属する会社が、新興国メーカーと競合する製品を持つ人を対象に聞いた。「非常に優位にある」「やや優位にある」の2つを合わせた「優位にある」という回答が44.5%と半数を割った。一方で、「拮抗している」との回答が24.1%と目立つ。さらに、「やや劣位にある」「非常に劣位にある」という2つを合わせた「劣位にある」という回答が27.0%にも達した。多くの日本メーカーが新興国メーカーとの競争に四苦八苦している様子が伝わってくる一方で、現時点では依然、優位性を感じる回答者が多い。

〔以下、日経ものづくり2012年9月号に掲載〕