日産自動車は、9月に発売する新型「ノート」に、新開発の1.2L・直噴スーパーチャージャ付きエンジン「HR12DDR」を搭載すると発表した。25.2km/L(JC08モード、以下同)という低燃費と、1.5Lエンジン並みの動力性能を両立したのが特徴だ。

 HR12DDRエンジンは、「マーチ」に搭載されている自然吸気・ポート噴射の直列3気筒「HR12DE」エンジンをベースに、直噴化し、スーパーチャージャを装着したもの(図)。欧州仕様のマーチでは2011年秋から搭載が始まっている。25.2km/Lという燃費は、ホンダの「フィットハイブリッド」の26.4km/Lよりは下回るものの、マツダの「デミオ 13-SKYACTIV」の25km/Lを若干上回る高い水準だ。現行型ノートの18km/Lからは40%向上している。
 新型ノートには、HR12DDRエンジン搭載車のほかに、前述のようにマーチにもすでに採用されているHR12DEエンジン搭載車も用意されており、燃費はマーチと同じ22.6km/Lで、現行ノートより約26%向上している。
 HR12DE搭載車の燃費向上は、エンジンの排気量縮小に加え、新プラットフォーム採用による軽量化、空力性能向上、オルタネータ回生システム、副変速機付きCVT(無段変速機)の採用、アイドリングストップ機構の採用などの効果だ。これらの効果を差し引くと、HR12DDRエンジンによる純粋な燃費向上分は、40%のうちの14ポイント程度ということになる。

以下、『日経Automotive Technology』2012年9月号に掲載
図 日産自動車の新型エンジン「HR12DDR」
図 日産自動車の新型エンジン「HR12DDR」
排気量1.2L・直列3気筒の「HR12DE」エンジンを直噴化し、ミラーサイクルとスーパーチャージャを組み合わせて1.5L並みの出力と、燃費向上を両立したダウンサイジングエンジン。
■変更履歴
掲載当初は図のエトキで「日産自動車のEVコンセプト『Infiniti LE』」としていましたが、「日産自動車の新型エンジン『HR12DDR』」の間違いです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/08/02 17:00]