海の季節がやってきた。写真は、海辺を模した置物。注目してもらいたいのは、砂浜にある、放射状にとげを突き出して銀色に光る「ウニ」のように見える物体。

 実はこれ、とげ(ピン)の先端の位置精度が±0.03mmという超精密部品。直径は5.5mmで、磁気材料の電磁軟鉄製だ。モバイル機器の画面でカーソル位置を操作するジョグボールのコア部品である。ジョグボールを指先で転がすと24本のピンが動き、磁場が変化してカーソルが動く仕組み。製造を手掛けたのは太陽工業(本社長野県諏訪市)。同社はウニではなく「太陽のイガグリ」と呼んでいる。

 さて、この複雑形状の部品をどのように加工したのだろうか。ただし、1秒/個の速さで造るという条件が付く。

〔以下、日経ものづくり2012年8月号に掲載〕