4月14日に新東名高速道路の静岡県区間が開通した。直後の連休中、御殿場・三ケ日間の10km以上の渋滞回数を昨年の60回(東名のみ)から5回(東名・新東名の合計)に、30km以上の渋滞を13回から0回に激減させる効果があった。
 交通量の少ない交差点で信号機をやめて交差点をラウンドアバウトにすることを提案するなど、道路を使いやすくための活動を続けている名古屋大学教授の中村英樹氏は、新東名の使い方には問題があると指摘する。(聞き手は浜田基彦)

名古屋大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻教授 中村英樹氏
名古屋大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻教授 中村英樹氏

 新東名では、路面から生えた樹脂製のポールが左右に並んでいる。この道路がもともと6車線用の設計だった名残だ。両端のポールでわざわざ幅を狭くして、それを上下線でそれぞれ2車線に分ける線を引いている。
 計画では6車線、設計速度140km/h相当という、ドイツのアウトバーンでもなかなか見られない世界一の規格だった。それが2002年ごろ、小泉純一郎内閣の時に、「道路はもう要らない」という節約志向の中、6車線が4車線に削られてしまった。

以下、『日経Automotive Technology』2012年7月号に掲載